みなさん、こんにちは。
大阪市北区にある「水沼歯科医院」、院長の水沼武史です。
前回、前々回に引き続いて、歯周病のお話を続けようと思います。
まだお読みでない方は、一度目を通していただくと良いでしょう。
さて、歯周病の代表的な症状のひとつとして、歯肉、つまり歯ぐきが下がってしまうというものがあります。歯周病の患者さんが、「歯が伸びた?」と感じるのはこのためですね。
食べたり飲んだりすれば、誰でもプラーク(歯垢)が溜まっていきます。これ自体はどうしようもないことです。
そのプラークが歯ぐきの炎症や、歯を支えている顎の骨の吸収を引き起こしてしまいます。結果、溶けていってしまい、歯ぐきが下がっていってしまうのです。
これまた歯周病の怖いところなんですが、一度吸収されてしまった骨が元の状態に戻ることは基本的にありません。ですから、発見が遅れれば遅れるほど、患者さんにとっては大変なことになります。
しかし、だからと言って「もうダメだ」となっては、その後もどんどん歯ぐきはやられていってしまいます。重要なのは、気付いた時点で被害を食い止めることです。
クリーニングによって炎症を抑えることで病状の進行を止めることはできますから、歯ぐきが下がってるかも、と感じたのであれば、すぐに歯科を受診しましょう。
ここが、ご自分の歯や歯ぐきを残せるかどうかの分水嶺なのです。