水沼歯科医院 SINCE 1955

水沼歯科医院ブログ

知覚過敏症の治療

こんにちは。大阪市北区にある水沼歯科医院 院長の水沼武史です。

今日は前回の続きで「知覚過敏症の治療法」についてです。

前回書きましたが、知覚過敏症を根本的に治すということは歯科だけでは困難かと思います。理由はストレスを取り除かなくてはならないからです。

歯科でできることは
1.痛みがある歯から痛みを取り除く
2.痛む前に歯が痛くなるのを予防する
この2つです。

では順に説明していきましょう。

まず、すでに痛みがある歯に対してどうするか?
これは、薬を塗るくらいしか手立てがありません。それも1回では改善が見られない場合があります。直接神経に塗るということができませんし、エナメル質という硬い組織がありますから、なかなか効きません。

あとは予防です。これはナイトガードと言って歯ぎしりから歯を守るのを目的としています。歯同士が噛み合うとどうしても知覚過敏になりやすいので、ナイトガードを装着して歯ぎしりから歯を守ります。それによって、知覚過敏を起こさないようにします。知覚過敏は他の原因でも起こることはありますが、歯ぎしりで起こることが多いですからこれが一番だと思います。ただ、すぐに改善するということはありませんので、時間はある程度かかります。

知覚過敏症は何をすると必ず改善するというものではないので、なかなかこれという治療法はありませんが、原因を元から絶たないと再発する可能性があります。なので、食いしばりの自覚のある方や、歯ぎしりをしている形跡を歯医者さんに指摘されたらナイトガードを着用し、予防策をとることが肝要です。

知覚過敏症について

こんにちは。大阪市北区にある水沼歯科医院 院長の水沼武史です。

今回は2回にわたって知覚過敏症についてお話します。

みなさん、暑い夏、アイスを食べたり、ジュースやアイスコーヒーを飲んだりと冷たいものを食する機会が多いと思います。そんな時、思わず頬に手を持っていくことがありませんか。歯がしみて「痛〜」って思うことが。

そんな時、確かに虫歯の可能性もありますが、実は知覚過敏症ということが多いですね。

歯がしみるイコール虫歯、ということで来院される方が結構おられますが、以外と虫歯は少なく、知覚過敏症ということが多いです。知覚過敏症はどうやって直すかというと、薬剤を塗って治すということが多いのですが、なかなかすぐには治りません。その原因は知覚過敏がどうやって起こるかを探っていくと理解できると思います。

知覚過敏症の一番の原因は、歯ぎしりだとされています。そしてその歯ぎしりの原因となるのが、ストレスです。歯ぎしりすることで、ストレスを解消しようとします。起きている時なら気づきますから、それを止めることもできるでしょう。しかし、この歯ぎしりは寝てる間にするから止めようがありません。

逆に言うなら、ストレスを解消しようと歯ぎしりをするわけですから、止めるとストレスをためて他のところに症状が出るということになってしまいます。

となると根本的にストレスをなくすということがいいのでしょうが、そう簡単にストレスを解消するということは困難でしょう。人によって、何がストレスなのかということも変わってきますしね。

では治療法は次回。

虫歯の進行の仕方

こんにちは。大阪市北区にある水沼歯科医院 院長の水沼武史です。

今回は、皆さんからよく聞かれる「虫歯の話」です。

よく聞かれるのですが、「ちっちゃな虫歯だったのに、歯医者行ったらめっちゃ削られて、被せ物(詰め物)になった。なんでやねん」 と

これにはちゃんと理由があります。

もちろん 当院では、患者様とコミュニケーションをとることを第一に考えて治療を行っていますので、しかりご説明し、ご理解いただいているとは思うのですが、改めて説明させていただきます。

これは、歯の構造上の問題です。 
歯は体の中で一番硬い組織です。骨よりも断然硬いです。エナメル質の下の象牙質も骨よりはちょっと硬い組織です。歯は硬い組織ですが、酸によって虫歯(う蝕)を作るのです。そのう蝕はエナメル質を構成するエナメル小柱に沿って進んでいきます。そのエナメル小柱がかむ面(咬合面)では ハの字に走行しています。なので表面は黒い点かもしれませんが、中はハの字に広がっていますので、中の方が進行しているということになるのです。

象牙質は象牙細管が逆ハの字に走行していますので、外が大きく中は小さいということになります。

話を戻しますが、中の方が広くう蝕を起こしていることになるので(エナメル質は)、中を掘って詰め物をすると一部下にエナメル質がないところに詰めることになります。すると歯がパキッと折れたりするので、上の方も折れないように下と同じように削ります。そのため大きくなったような形になるのです。
決して大きくしようとしているのではなく、その方が歯のためですよということです。

むし歯(う蝕)の原因は

こんにちは。大阪市北区にある水沼歯科医院 院長の水沼武史です。

今日も続きで、歯pediaをお届けします。

前回、歯は硬いけれど脆い、という話をしましたね。エナメル質は確かに硬いのですが、単一構造を取っているのではないので、その下にある象牙質はモース硬度でいうと5から6と、エナメル質より柔らかいのです。さらにその下は神経ですから、非常に柔らかいというか、モース硬度では表せませんね。

だから、表面は硬いけれど、中は柔らかい構造になっています。これも前回ちらっと書きましたが、その硬いエナメル質でも酸には弱いのです。その酸を作るのがいわゆる虫歯菌(主にストレプトコッカス・ミュータンス)です。

その虫歯菌が作った酸によって、硬い硬い、鉄より硬いエナメル質に虫歯(う蝕)を作ります。

鉄より硬いのに(歯が)酸でやられてしまうって、エイリアンのようですね。まあ、歯にしてみれば、まさしくエイリアンですけどね。

だからそのエイリアンが酸を作れないように、口腔ケア(ブラッシングなど)をするのです。虫歯菌が酸を作らない、作れない環境を保てば勝ちです。

確かに虫歯ができたら、ご自身で治すことは不可能ですから、我々の出番ですが、酸を作れない環境を常に保っておけば・・・ これはみなさんにも可能ですよね。なのでお口のケアが重要となってくるのです。

歯の構造

こんにちは。大阪市北区にある水沼歯科医院 院長の水沼武史です。

本日は、wikipediaならぬ歯pedia。
歯の構造についてのお話です。

一口に歯と言っても実際は4つのパートからできています。均一の構造をしているものではありません。
歯肉より上は外側から、「エナメル質」、「象牙質」、「歯髄腔(神経)」。歯肉の中ではこれも外から「セメント質」、「象牙質」、「歯髄腔(神経)」となります。

皆さん ご自身の骨ってすごく硬いイメージがないですか?

実は、歯(エナメル質)は骨より硬いのです。モース硬度(硬さの基準)で骨は4から5(鉱石でいうと銅や鉄程度)、エナメル質は7から8(鉱石でいうと水晶程度)。当然ダイアモンドは一番硬くてモース硬度は10です。

また、ここでいう硬さとは、傷がつく、つかないという基準で決められたもので(モース硬度)、堅牢さ(じん性。叩いた時に壊れるかどうか)ではありません。

そんな硬い歯ですから、その歯を支えている顎がしっかりとしていれば、一般のものならなんでも噛むことができます。何せ鉄より硬いのですから。
そうです、鉄より硬いのです。かと言ってフォークやスプーンをかじることはできませんけどね。

歯はそんなに硬いのです。ある意味そんな歯を溶かしてしまう酸はすごいです。

歯は確かに硬いのですが、硬いだけあって、脆さも備えています(ダイアモンドが、ハンマーで叩くと砕けるように)。

硬いけど脆い。それが歯の特性なのです。

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